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室生寺の石楠花
室生寺は、奈良県、宇陀市の東方、三重県に近い地にある山岳寺院である。室生川の北岸にある室生山の山麓から中腹に堂塔が散在する。平安時代の前期の建築物や仏像を伝え、境内は石楠花の名所としても知られている。
真言宗の拠点である高野山がかっては女人禁制であったことから、女性の参詣が許されていた室生寺には「女人高野」の別名がある。
昔々、古寺に美しい娘が住んでしました。この娘の名は”石楠花”と言い、その娘の美しさは、まるで天からの贈り物のようでした。
娘は境内にある五重塔が大好きで、毎日この場所で過ごしていました。
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一方、境内の奥には五重塔が立っていました。その木々に囲まれた塔は、歴史と伝説を背負っているようでした。
ある日、娘は五重塔に話しかけました。「五重塔さん、私たちは協力して、美しい庭園を造りませんか・・」
五重塔も応えます。「そうだね。娘さん・・石仏さんも一緒に美しい庭園を造りましょう」
それから・・娘は五重塔の周りに奇麗な花の木を植えました。その花は、五重塔の土地に合ったのか、花の木がどんどん増えて行きました。
数年が経ち・・親の勧めで娘は、隣の村のお寺にお嫁に行く・・話が進みました。娘は、庭園がまだ未完成だったので、五重塔や石仏と別れるのは嫌でした。
やがて、娘の嫁ぐ日がやって来ました。この日は朝から細かい雨が降っていました。五重塔も石仏も花の木も・・みんな、娘との別れを惜しみ・・涙の雫を流しました。
五重塔は「娘さん・・どうか新しい土地でも、あなたの庭園を造って下さい」と声をかけました。
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娘と別れてから・・しばらく雨ばかり降りました。五重塔も花の木も寂しさのあまり、元気がありません。
その時、石仏が五重塔に話しかけました。「五重塔さん、庭園の花の木に、名前を付けたらどうだろうか・・」
五重塔も「良いね」と賛成し「娘の名前にしよう」と言いました。
それからは・・この古寺の花の木の名前が”石楠花”と呼ばれるようになりました。
花の木の名前が”石楠花”と決まってから・・五重塔の庭園は元気を取り戻して、花の木はさらに増えて行きました。
それからさらに数年が経ち・・五重塔と”石楠花”の見事な庭園が完成しました。その五重塔と庭園の美しさは・・古寺を訪れた人々の心を打ち・・たちまち評判になりました。
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あれから・・嫁いだ娘ですが・・嫁ぎ先の寺の境内に、桜・牡丹・躑躅・石楠花・紫陽花・モミジの紅葉など・・四季の花が咲く見事な庭園を造り上げ評判になっていると噂に聞き・・五重塔は喜んだそうです。
おわり
尚、この物語は、管理人の妄想を絵本風に編集したもので、室生寺や長谷寺とは関係がありません。
あ
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