諸木野の桜

宇陀市の山の中に「諸木野」の田んぼがある。ここの田圃は「桜と田植え」が一緒に撮れる。この田んぼのオーナーのご好意で、桜の咲く時期に合わせて田植えの準備をされている。桜と田植えの風景は、日本でもここだけしか会えない風景だろう。

水田に映る満開の桜・・その中を農夫が田植え機で苗を植えている。これだけでも秀逸だが、すぐそばで奥さんが苗の補給などを手伝う夫婦の姿が微笑ましく。これ以上の被写体はどこを探しても見つからない。

しかし・・ここにもコロナが襲った。

高齢の夫婦の好意で守られていた「田植え桜」は・・コロナ以降、二度と見ることが出来なくなった。日本の宝を失ったような悲しい気持ちであるが・・ご夫婦の長年のご努力に感謝の気持ちを伝えたい。

「夫婦の田植え桜」を・・ありがとうございました。

　
「お父さん～」　　「そろそろ休憩しましょう」・・お母さんが呼びかける。「この列が終わったら、そうしようか」こんな夫婦の会話が聞こえてくる・・そんな気がする。　

　
「夫婦の田植え桜」　　満開の桜と田植え・・「夫婦の田植え桜」と名付けました。ここは日本一の田植えだと思います。いつまでもこの景色が見れますように・・
　　

　
「息の合った作業」　　流れるような作業だ。夫婦だから、ずーっと一緒にやって来たから、声に出さなくても、お互いの心が通じる。
　

　
「夫婦の桜」　　苗の受け渡す作業と満開の桜を撮った。大切な心を受け渡しているような・・そんな夫婦の作業であった。
　

　
「頑張ってね」　　田植えもそろそろ終わる。「もすぐ終わるよ・・頑張ってね」　お母さんの最後の声がかかる。
　

　
「トタン屋根から」　　作業小屋のトタン屋根に・・花びらがぱらぱら落ちる。どこから撮っても、ここの夫婦桜は美しい絵になる。
　

山の辺遊歩