菌ちゃん農法への道
家庭菜園を始めてから18年経つ・・10年前から慣行農法の問題点(病気・害虫→農薬)にぶつかった。慣行農法⇒有機農法⇒自然農法と・・悩みながら試行する中で・・辿り着いたのが「菌ちゃん農法」(吉田俊道)だった。
化成肥料などの肥料を一切使わず・・野山にある有機物(枯れ木・枯れ葉・木チップ・籾殻・セイダカアワダチソウ)を使って野菜を栽培する農法だ。幸いにも畑の近くに森があり・・「菌ちゃん農法」に必要な有機物がどっさりある。
菌ちゃん農法に切り替えて・・4年が経った。全てが上手く行ってはいないが・・手ごたえは充分にありました。
第一には・・本当に「肥料が無いのに野菜が育つ」ことだ。最初は信じられなかったが・・本当に育つんです。これはやって見て・・自分で確かめて欲しい。
第二は・・「野菜が美味しい」ことです。慣行農法で育った野菜は・・えぐ味あり、薄っぺらな味ですが、菌ちゃん農法は・・甘いんです。味が濃いです。美味しいです。これも自分で作って確かめるしかありません。
菌ちゃん農法をイラストで・・簡単に説明します。
① 畑の土を盛って畝を作ります。(45cmくらいと言われているが、私の畑は20cmくらい)
② その上に有機物(木チップ・籾殻・竹チップ・固い草・刈れ葉)を”ドッサリ”置く。
③ 土を薄く被せる。
④ 上から黒マルチをかぶせ・・重石を置きます。
⑤ この状態で半年置いて・・「糸状菌」が育つのを待ちます。糸状菌は、固い有機物をエサ(分解)にして増殖します。畝の中に・・糸状菌が育っていることを確認したら・・
⑥ 畝の上から掘って穴を開け・・苗を植えます。
畝の中で糸状菌が増えると・・土の中に「菌糸」が広がって行きます。糸状菌の菌糸が・・野菜の苗の根と繋がると・・菌糸を通して栄養が供給され・・苗の成長が始まります。だから肥料は無くても野菜は育ちます。
有機物を使って野菜を栽培する農法は、菌ちゃん農法以外にも「炭素循環農法」などがある。どちらも基本の考え方は同じで、畑の土の中の土壌菌を増やして「土壌菌によって野菜を育てる農法」である。有機物は・・土壌菌のエサとして大切な資材である。
「菌ちゃん農法」を簡単に説明したが・・この農法で栽培できる野菜は限られる。
夏野菜では・・トマト・ナス・キュウリ・ピーマン・オクラなど・・
冬野菜では・・ブロッコリー・実・鞘エンドウ・ネギなど・・
いずれも、苗で栽培する野菜に限られる。畝の上に有機物が多く・・大量栽培の種野菜には向かない。
これ以外の、玉ねぎ・ニンニク・ダイコン・ほうれん草・青梗菜・ジャガイモなどは・・有機物が多い畝では、最初の発芽や活着が難しい・・また栽培間隔が狭いので・・別管理(平畝の有機栽培)している。こちらの栽培では、有機肥料の施肥や薄い農薬が必要な時がある。数年たてば有機物の蓄積で・・平畝も「無肥料・無農薬栽培」が可能になってくると思っている。
現在の菌ちゃん農法は3っの畝を使っている。ここでは「なすび(2畝)」「ピーマン(1畝)」で栽培しています。ナスビもピーマンも無肥料でたくさん収穫が出来ています。ただし害虫(テントウムシダマシ・カメムシ)が出ています。農薬は使いません。全て・・回収用のペットボトルに捕獲します。菌ちゃん農法では・・「元気な野菜は害虫が来ない」と聞いているので・・畝の中の土壌菌の完成度がまだ低いのかなー・・これからこれから・・
ピーマン(1畝)、秋ナス仕立て(1畝)
遅植えのナスビ(1畝)
こちらの平畝は・・秋野菜の種まきの準備です。
菌ちゃん農法は・・いろいろな研究テーマがあり面白いです。
どの有機物に糸状菌が付きやすいか?
水はけの良い畑は・・畝を高すぎない方が良いのでは?
連作しても良いのではないか?
「はんぺん」を直接畝に入れた効果は・・など退屈しません。
爺の「ボケ防止」と「美味しい野菜」の実益がある「菌ちゃん農法」は・・
高齢者の家庭菜園に・・お勧めです。
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