高畝は”何故”良いのか・・
「菌ちゃん農法」を知ってから・・気になって「山の辺の道」周辺の畑を・・良く見るようになった。この近くで「菌ちゃん農法・高畝」をやっている畑は・・まだ見ていない。ほとんどが慣行農法の化成肥料と農薬を使う野菜作りのようだ。

いろいろな畑があり・・野菜作りを楽しんでおられる様子が解る。全体的に元気な野菜も多いが、そうでもない野菜もあり・・畑の作り方に「違い」があるよう思う。私の思い込みかも知れないが・・それは「畝の高さ」だと思う。慣行農法でも、少し高畝にして野菜作りをしている畑は・・元気な野菜が多い。反対に低い畝の畑は、雨上がりの排水も悪く、元気のない野菜が多いように感じる。
「畝の高さ」と「野菜の生育」にはどんな関係があるのか・・「菌ちゃん農法」が「高畝」にしている理由は何だろう・・少し考えを整理してみたい。

土の中には・・3っの層があると思う。地表から0-20cm位までは空気があり「好気性菌(糸状菌)」が活躍できる層である。40cm以下は空気がなく「嫌気性菌」しか住んでいない。20-40cmは中間層(両方が混在)
(専門家ではないので調べた訳ではないが想像すると・・)

低い畝は・・地表から下の層は雨水による浸潤で「好気性菌」が死ぬ可能性が高いので、地表から上の畝しか「好気性土壌菌(糸状菌たち)」が活動出来ない。したがって、畝が高い方が・・「慣行農法」でも「菌ちゃん農法」でも・・「土壌菌の効果」や「肥料の効果」が現れやすいと思われる。
「菌ちゃん農法」の「高畝」の場合を考える。
高畝の最初の頃は・・畝の周囲20cmの土の層には「好気性菌(糸状菌)」が活動出来るが、畝の中心部は空気が入らないので「糸状菌」は活動できない。このまま数か月置くと・・「有機物」を分解しながら少しずつ「糸状菌」が増えて来る。

「菌ちゃん高畝」で3ヶ月経過すると・・「糸状菌」が増え、畝の中に「菌糸のネットワーク」が拡がってくる。「菌糸」は中間層の土を「団粒化構造」に変えて行き、畝の中央部まで空気のある土に変化してくる。ここまで来ると「菌ちゃん農法」の高畝が完成する。この畝で野菜を栽培したら・・「無肥料・無農薬」で美味しい野菜が育つ。

「高畝」の「有機物」を分解して「糸状菌」と「菌糸のネットワーク」が・・土の性質を「団粒化構造」に変える。
このような変化が高畝の中で起こるには・・「有機物」を分解する「糸状菌」が働く環境を畝の中に作る必要がある。それを可能にしているのが「黒マルチ」と「重り」である。「黒マルチ」は畝の中に、糸状菌が働きやすい環境(温度・湿度)を作り、「重り」は土に湿りを持たらす効果(毛細管現象)がある。高畝の随一の弱点は「乾燥」である。畝を高くするほど「乾燥」が進む。それを改善するのが「黒マルチ」と「重り」である。


「菌ちゃん農法」の・・高畝は”何故”良いのか?
そんな疑問から・・「高畝の効果」を考察してみた。専門家ではないので、正解は他にあるかもしれないが・・私は「高畝」の中は、上記したような変化が起きていると思う。
「菌ちゃん農法」を始めた頃は、低い畝でスタートして苦労したが・・今は、高畝の良さが解り・・「高畝」を作っている。今月は5番目の「高畝」作りを始める予定である。